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日々読んだり料理したりしています。
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2010.12.03 Fri
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おさがしの本はおさがしの本は
(2009/07/18)
門井 慶喜

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「私は本来レファレンス・カウンター担当なんです。もしここが本館のなかなら、私の仕事はまさに要望を受けて本を探すこと」


N市立図書館のレファレンス・カウンター担当の和久山は、真面目で堅物の職員。
本に対する熱意は人一倍ながらも、馬鹿丁寧な口調と応対が些か「役人」じみている今日この頃。
女子大生のレポートの助言をしたり、思い出の本探しを手伝ったりと、単調ながらも忙しい日々を送っていたのだが、季節外れの副館長の着任により嵐の気配が・・・

「殺人を呼んだ本」「れんげ野原のまんなかで」など、図書館司書が活躍するミステリ(というか、本探し?)は時々見かけます。
本探しの謎が巧妙だったり、本に携わる人間心理がよく描かれていたりして、どれも面白い本ばかりなのですが、今回の本もその一つ。
市民からの相談事もさることながら、さらに複雑怪奇な「お役所事情」も絡んできていて、思わずにやりとさせられます。


和久山の語り口調が若干硬い気もしますが(昭和52年生まれは「最初の一鍬」とかあまり言わないような・・・)ほんのり恋あり、ライバルの上司あり、出世がらみの誘いありで、全体的にまとまった愉しいお話になっていると思います
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2010.11.26 Fri
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ヴェネツィアの宿ヴェネツィアの宿
(1993/09)
須賀 敦子

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 翻訳者であり随筆家でもある、須賀敦子さんの随筆集。
 須賀さんがイタリアやフランスの町々で出会った人々の物語と、若かりし頃の日本での家族や友人達との物語が半々で収められています。
 親戚と過ごした戦中戦後の動乱期、カトリック系の寄宿舎で過ごした学生時代、フランス留学時代の学友達、そして両親との関係――
 淡々と物静かな、とても綺麗な語り口調で12編の物語が編まれています。


 中でも一番好きなのは、「オリエント・エクスプレス」。
 死期の迫った父から、「若い頃に乗ったオリエント特急のコーヒーカップが欲しい」と頼まれ、ミラノ駅に到着した特急を訪れるというお話です。
 そんなに長い話ではないし、流れる時間はほんの数分なのですが、読みながら(電車の中で読んでいたにも関わらず)泣けてきて泣けてきて仕方ありませんでした。
 なんとかウルウルするのは堪えましたが、おそらく目が真っ赤だったと思われます・・・・あははは
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2010.07.25 Sun
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シネマ食堂シネマ食堂
(2009/09/04)
飯島奈美

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『かもめ食堂』や『深夜食堂』などで活躍されているフードスタイリスト、飯島奈美さんが映画に登場する様々な料理を再現したレシピ集です。
懐かしの洋画から最近の邦画まで程好く網羅されていて、「ああ、あのシーンの食卓だ!」とか「へえ、この映画にはこんな食べ物が出てくるんだ」と、ページを捲っているうちにどんどん引き込まれていきます。


丁寧なレシピと本当に美味しそうな写真は見ているだけで楽しいですし、巻末に掲載されている撮影の裏話も面白い。
中でも『かもめ食堂』のシナモンロール(表紙の写真にもなっています)は、映画の中で本当に美味しそうだったので、実際の作り方が分かってとても嬉しかったです
いつか作ってみたいなあとは思いつつ、思うだけで終わってしまうような気も・・・・


NHKで放映されている『天使のわけまえ』も飯島さんが担当されていて、毎回「美味しそうだなあ」と画面を食い入るように見ています
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2010.06.11 Fri
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ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上)    新潮文庫ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上) 新潮文庫
(2002/06)
塩野 七生

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古代ローマ帝国の興亡の歴史を描く長編シリーズ「ローマ人の物語」。
ハードカバーでは15巻、文庫版になると40冊近くになります。
もともと夫君の愛読書だったこのシリーズですが、今夏、夫君の熱い要望によりローマへ行く事となり、「どうせ遺跡巡りをするんだから、だったら成り立ちを知ってる方が面白いよね?」ということで、私も読んでみる事にしました。

ローマ帝国の成り立ちから全盛期、そして衰退から滅亡へと、各時代を生きた代表的な人々の言動を軸に描かれています。
とは言え歴史書ではなく、作者や出版社はあくまで「小説」として扱っているようで、しいて言えば「秋山兄弟&子規に視点を当てて明治時代を描いた『坂の上の雲』」と同じ様なカテゴリーになるのではないかと、勝手に思っています


その中で、ハードカバーで言えば第2巻にあたるのが、この「ハンニバル戦記」。
ローマ帝国を相手に一世紀以上に渡る戦いを繰り広げる事になったアフリカの大国・カルタゴの、武将・ハンニバルにスポットが当てられています。
一次戦役では大敗北を期したカルタゴ。当時少年だったハンニバルは、やがて復讐を胸に秘めたまま武将となり、象を率いてスペインからアルプスの山々を超えイタリアに攻め込み、南部に向けて侵攻を始めます。
建国以来の最大の危機に対し、ローマ帝国が対抗馬として据えたのは、若き知将・スキピオ。
はたして地中海の覇権はどちらの手に?そして二人のライバルの勝敗は?・・・という、手に汗握る攻防戦の物語です。


もともとこのハンニバルという武将には興味があったのですが、「象を連れて雪のアルプスを越えた」とか、「ローマでは大人から子供まで鬼の様に恐れられていた」とか、そういった断片的な知識しかなかったので、今回一生を通して読む事が出来て良かったです
晩年のハンニバルについては、結構あっさりとしていたので(まあ、本筋はローマですから)、今度はハンニバルがメインの小説を読んでみようと思っております。
・・・・その前に、このシリーズですね。まだまだ先は長い

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2010.04.25 Sun
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第一阿房列車 (新潮文庫)第一阿房列車 (新潮文庫)
(2003/04)
内田 百けん

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「用事がなければどこへも行ってはいけないと云うわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。」


戦後間もない全土を上げての復興途中の日本を、北は青森から南は鹿児島まで、特に用事はないけれど出掛けていく、内田先生と国鉄職員である弟子の「ヒマラヤ山系」。
 特急「はと」や「つばめ」に乗り込み、窓の外を過ぎ行く風景や、宿泊先での出来事などを、ユーモア溢れる文章でつづった、鉄道旅行顛末記。


 実は、内田作品はこれが初見だったりします。すみません
 黒澤映画「まあだだよ」は以前見たのですが、どちらかというと所ジョージが目当てだったので、内田先生本人についてはスルーしてました。すみませんすみません


 というわけで、遅ればせながら初内田作品です。「元祖テツ小説」と評判が高いこのお話は前から気になっていたので、思い切って手に取ってみました。
 鉄道小説、または旅行記(ご本人は「旅行じゃない」と言い張られてらっしゃいますが)としてもとても面白いのですが、ちらほらと出てくる当時の日本の風俗がまた面白い。
 カアテンにコムパアト、隧道に歩廊。一等列車には年老いた熟練のボイ、横浜駅で売られているのは代用米で作った支那料理風の焼飯、颱風の名前はケイト・・・と、戦後間もない時代の雰囲気がとてもよく伝わってきます。


 いまいち会話が噛み合わないヒマラヤ山系との妙ちきりんな会話や、石と岩の境目について、緋鯉と真鯉の違いについての討論など、少し偏屈だけれどくすりと笑える屁理屈やユーモアも満載。
 東京ー大阪間が8時間かかった時代の列車にのんびりとゆられながら、お酒を飲みつつ食事を食べつつ、あれこれと取り留めの無い話をする。
 当時の旅行は大変だと思いつつも、ある意味とても贅沢だなあと羨ましくもなります。



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